東山動植物園に行ったこと

 東山動物園に行った日は、まだ春なのにやたらと日差しがきつく暑かった。夏並みだと、その時は思っていたが、今こうして連日猛暑&熱帯夜の日々の夏本番を迎えてみれば、ぜんぜんそうでもなかった。春の範疇だった。夏日だったけど。

 関西の夏はほとんど真夏日猛暑日の繰り返し。梅雨明けから彼岸過ぎまで、そんな感じ。

 名古屋から地下鉄東山線東山公園で下車。すぐ近くに東山動植物園がある。広大な敷地なので、すべてを堪能するには一日では足りないと思う。昼過ぎに行った私はカエルスポットに絞り込んだ。

 目的地は動物園内の自然動物館。両生類・爬虫類はそこにいる。屋内でエアコンもきいているので暑い日でもまあまあ快適。まわりには東山スカイタワーや世界のメダカ館がある。

 ほとんどの生体は比較的広いスペースを与えられていた。私にしては撮影した写真が少ないので、カエルはだいたいシェルターに引きこもっていたのだと思う。ちゃんとシェルターがあるのは良いことだ。無いと見る側には良いかもしれないけど、カエルにはストレスだろうから。写真はヒキガエルの展示設備と、ヒキガエル

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 植物園エリアに行ってみると、もう夕方近いせいか、あるいは子供たちにはあまり人気がないのか、人が少なかった。

 湿地園からビオトープまでぶらぶら歩いた。いくつか池があり、ヒキガエルが繁殖に来るらしい池もあった。池にはオタマジャクシらしきものはすでにいなかったので、すでに上陸したあとだったのかもしれない。

 緑が多い中を歩くのはそれだけでなんだか癒された。木陰や風になびく枝葉の様子や音、草や水場の湿度やにおいが、強い日差しだけでなく、つらい日常をも遮ってくれるような気がする。少なくとも、そこにいる間だけは。

 閉園時間も近くなってきたので、再びにぎやかな動物園側に戻り、土産を買って帰途に。

 ちなみに、地下鉄東山線東山公園と名古屋の間にある千種からJRに乗り換えてJR勝川駅で下車してすぐの広場では、毎年4月の後半に春日井のカエルまつりがある。

 春日井は小野道風ゆかりの地とされていて、小野道風といえば柳に跳びつくカエルの故事。無心に努力したからといって結果が得られるわけではないけれど、少なくとも努力すらしない者には何もない。愚痴る権利すら無い。きびしい反面、無理そうだけど、続けていたらそのうちなんか良いことあるかもしれないという希望もあるので、下手の横好き的なことがいくつかある人間にとっては慈悲深い教訓でもある。涙が出る。